大学進学で悩んだのがきっかけに

Aさんは会社づとめをしている23歳の女性です。自分ではどうしてもコントロールできない過食と嘔吐に苦しむ毎日を送っています。

このAさんは元々優等生タイプで、優しくて思いやりもあり、気配りができる性格が友達にも好かれていました。外見からは悩みがあったり苦しんでいるようには見えなかったのですが、大学進学についての悩みがきっかけで過食と嘔吐を繰り返すようになってしまいました。

またAさんの場合は、相手にノーをきっぱりと言えないところがあり、家庭の中では母親が決めたことにいつも従っていて、友人同士のつきあいの中でも母親に対する時と同じように相手に合わせてしまう傾向がありました。Aさんのこの行動パターンには、嫌われてしまったらどうしよう、見捨てられたくない、という不安感があったのです。

この不安感のために、嫌だなと思ってもきっぱり断るということができず、回りの人に合わせることで無理をしてしまうというパターンをAさんは長い間繰り返してきました。

他人からの見た目では、一見Aさんは社交性があってよい対人関係を築けているように見えていたのですが、大学進学のことで悩み出すとやり場のない感情に襲われてしまい、この何ともいえないやりきれない気持ちが彼女を苦しめました。この感情を発散するために、Aさんは食べることに走り過食の傾向が始まりました。

最初は過食だけであったのが、次第に嘔吐を伴うようになりました。不安でやりきれない感情の高まりとともに過食と嘔吐の回数も次第に増えていき、時々起こしていたのが最近ではほぼ毎日起こるようになっています。

優等生タイプなので回りからはうまくくいっていると思われがちなAさんですが、実際はそうではなく悩みのある自分を上手く前面に出せないこと、相手に嫌われないことで自分を守りたいという強い不安感のために人に頼まれると嫌と言えない、そんな性格から悩みをきっかけにして過食と嘔吐を発症した事例です。